大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和38(オ)164 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人金子文吉の上告理由第一点について。

原判決が上告人の原判示契約解除を無効とし、本件建物の所有権は依然として被

上告人にあつて上告人には属しないものとしたうえで、右建物につき被上告人のた

めになされた本件所有権取得登記が上告人の意思に基づかないことは所論のとおり

であるとしても、その登記は本件建物の現在の実体的権利関係に符合するものであ

り云々と説示して上告人の登記抹消請求の理由のないことを判断している点は、首

肯できる(大審院昭和一七年(オ)第八九五号同一八年一月二九日判決、民集二二

巻一号一頁、最高裁判所昭和二七年(オ)第一〇六号同二九年一二月一七日第二小

法廷判決、民集八巻一二号二一八二頁、同昭和二八年(オ)第一一一号同三一年七

月二七日第二小法廷判決、民集一〇巻八号一一二二頁参照)。右と異なる(3)の

所論は、独自の見解であつて採用できないし、その余の所論は、結局、本件建物の

所有権を上告人が保持することを前提とするものであつて、原審認定にそわないこ

とをもつて原判決を非難するにすぎず、到底採用できない。

同第二点について。

所論は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰着し、

採用できない。

同第三点について。

被上告人が上告人の印鑑を盗用し、本件建物所有権を不法に侵奪したとの所論事

実は、原審の認定にそわないことであり、また、原判決は不法侵奪登記が有効であ

るとは判示していないのであるから、右を前提とする所論は、すべて採用できない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

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